「相談支援専門員という仕事には興味があるけれど、1日の働き方がイメージしにくい」。面談が中心なのか、書類作成が多いのか、外出や会議はどのくらいあるのか。転職やキャリアの選択肢として考えるとき、気になる方もいると思います。
相談支援専門員は、本人や家族の話を聞き、生活状況を整理し、必要な支援を一緒に考える仕事です。面談や計画書の作成に加え、関係機関との連携、サービス利用後の状況確認も行います。
この記事では、子どもと家族に関わる相談支援を中心に、具体的な業務と1日の例を紹介します。児童発達支援・放課後等デイサービスから相談支援へのキャリアを考えている方や、相談支援専門員として転職を検討している方の参考になればと思います。
相談支援専門員の仕事は毎日同じではありません
相談支援専門員は、毎日同じ時間割で動く仕事ではありません。面談が多い日、計画作成に集中する日、サービス担当者会議がある日、家庭への訪問がある日、学校や事業所との調整が多い日などがあります。
家庭への訪問や事業所での面談のほか、学校・園との連携、行政への制度や手続きの確認、福祉サービス事業所との連絡調整も業務に含まれます。外出の回数や面談・書類作成に使う時間は、担当ケースやその時期の予定によって変わります。
予定を組むときは、面談や会議だけでなく、移動、準備、記録の時間も確保します。複数の予定を整理し、必要な支援が途切れないように仕事を進めていきます。
午前|予定確認・連絡調整・記録
出勤後は、その日の面談・訪問・会議予定を確認し、メールや連絡事項に目を通します。前日の面談記録を整理したり、サービス担当者会議で確認したい内容や資料を準備したりすることもあります。
家族へ次回の面談について連絡する、学校や福祉事業所と会議の日程を調整する、行政に確認が必要な事項を整理する。こうした連絡も、支援を進めるための仕事です。
複数の本人・家族・関係機関と関わるため、「誰に何を確認する必要があるか」「次に何を進める必要があるか」を見える形にしておくことが役立ちます。返事待ちの連絡と、自分が次に行うことを分けておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。
本人・家族との面談
面談では、まず本人が好きなこと、得意なこと、今うまくいっていることを聞きます。本人や家族が大切にしている生活や、これからやってみたいことも支援の出発点です。
そのうえで、最近の生活、学校や園での様子、家庭で支援が必要な場面、利用しているサービス、保護者が気になっていること、将来について考えていることなどを確認します。単に「困っていることはありますか」と尋ねるだけでなく、日々の場面を具体的に聞いていきます。
例えば、「朝の準備はどんな順番で進めていますか」「好きな活動にはどんな様子で取り組みますか」と聞くことで、本人が力を発揮しやすい条件と、手助けが必要な場面が見えてくることがあります。
保護者の話に加え、本人の思いを、年齢やコミュニケーションの方法に合わせて確かめることも大切です。言葉だけでなく、選択肢や絵、普段の様子なども手がかりにしながら、本人の意思を丁寧に受け止めます。
面談では、すぐに答えを出さないこともあります
相談を受けたら、その場ですぐに正解を示すわけではありません。
例えば「学校に行きづらくなっている」という相談には、学校での過ごしにくさ、疲労、友人関係、学習面の負担、家庭での生活リズム、環境の変化など、複数の背景が考えられます。ここで挙げたものは可能性であり、本人に当てはまると決めつけることはできません。
「いつ頃から変化があったか」「比較的過ごしやすい日は何が違うか」「本人はどのように感じているか」を、本人や家族と一緒に整理します。必要に応じて学校などの関係者とも確認し、今できる調整と、さらに確かめたいことを分けて考えていきます。
ゆうた先生相談支援は、相談を聞いてその場で答えを出す仕事ではありません。本人やご家族、関係者と一緒に状況を整理することも大切な仕事です。
計画作成
面談や情報収集をもとに、サービス等利用計画や障害児支援利用計画、その案を作成します。本人・家族の希望、現在の生活状況、支援が必要なこと、本人の強み、支援の方向性、利用するサービス、関係機関の役割などを整理します。
例えば「放課後を安心して過ごしたい」という希望があれば、本人が過ごしやすい環境、家庭の生活リズム、学校や事業所とのつながりも含めて考えます。利用先を挙げるだけでなく、何のためにその支援を使うのかを明確にします。
大切なのは、計画書を完成させることだけでなく、本人や家族の生活をどう支えていくかを整理することです。内容を説明し、本人や家族の意向を確かめながら進めます。特定の事業所の利用を前提にせず、希望と必要性に沿って選択肢を一緒に考えます。
各事業所が作成する個別支援計画とは役割が異なり、相談支援の計画では、複数の支援や生活全体のつながりを見ていきます。
サービス担当者会議
計画の作成や見直しの過程では、サービス担当者会議を行い、支援の方向性を確認します。本人・家族、福祉サービス事業所に加え、必要に応じて学校・園などの関係者と情報を共有します。
会議では、本人・家族の希望、現在の状況、各機関での様子、支援が必要な場面、今後の方向性、それぞれの役割を確認します。「学校でうまくいっている方法を事業所でも試せるか」「家庭の負担を減らすために何を調整できるか」といった具体的な話し合いも行います。
相談支援専門員が一方的に支援方針を決めるのではありません。複数の情報や意見を整理し、本人や家族の希望に沿った方向性を関係者と確認します。誰が何を進め、いつ状況を確かめるかまで共有すると、会議後の動きにつながります。
学校・園・福祉事業所との連携
相談支援専門員は、本人や家族だけでなく、多くの関係機関と連絡を取ります。「放課後等デイサービスではどんな様子か」「学校ではどんな場面で取り組みやすいか」「家庭では何に手助けが必要か」などを確認することがあります。
同じ子どもでも、環境によって姿が異なる場合があります。少人数なら話しやすい、手順が見えると参加しやすい、静かな場所では落ち着いて過ごせる。その違いを知ることで、本人の中だけに原因を求めず、どんな環境なら過ごしやすいかを考えられます。
情報共有は、本人や家族の意向と同意を確認し、目的に必要な範囲で行います。行政には利用手続きや制度上の確認を行い、家族と各機関が次に何をすればよいかを整理していきます。
モニタリング
サービスの利用が始まった後も、相談支援は続きます。モニタリングは、計画に沿った支援の実施状況と、その後の生活を確認する仕事です。
本人や家族との面談や関係機関からの情報を通じて、サービスを利用してどうだったか、生活や困りごとに変化があったか、支援内容が合っているか、希望に変化がないかを確かめます。うまくいっていることも、続ける支援を考えるための大切な情報です。
「計画 → 支援 → 確認 → 見直し」というサイクルで考えると、仕事の流れをイメージしやすくなります。訪問・面談や結果の記録を行い、必要な場合は支援内容や計画を見直します。一度計画を作って終わる仕事ではありません。
記録も重要な仕事です
本人・家族との面談、関係機関との連絡、サービス担当者会議、モニタリング、計画の変更や検討内容を記録します。
記録は単なる事務作業ではありません。「これまで何を話し合ったか」「どんな変化があったか」「なぜ現在の支援方針になっているか」を確認し、支援を継続するための情報です。
聞き取った内容や観察した事実と、支援者の解釈は分けて書きます。決まったこと、まだ確認が必要なこと、次に連絡する相手や期限まで残しておくと、その後の支援やチームでの共有に役立ちます。
相談支援専門員の1日の例
以下は、面談と会議がある日を想定した、あくまで一例です。THE SHIP職員の実際の勤務記録や、毎日必ず行う時間割ではありません。別々のケースの業務を組み合わせる日もあり、担当ケース、訪問先、急な相談によって順番や時間は変わります。
THE SHIPの現在の相談支援求人には「8:30〜17:30、または9:00〜18:00(休憩60分)」と記載されています。ここでは8:30〜17:30の場合を例にしています。実際の勤務時間は求人詳細をご確認ください。
- 8:30出勤・予定確認
メールや連絡事項、その日の面談・会議予定を確認します。
- 9:00記録・計画作成
前日の面談記録や計画書、モニタリングの資料を整理します。
- 10:30本人・保護者との面談
家庭・学校・サービス利用の様子、本人や家族の希望を確認します。
- 12:00昼休憩
休憩の時間を確保します。
- 13:00関係機関との連絡調整
児童発達支援、放課後等デイサービス、学校、行政等と必要な確認や日程調整を行います。
- 14:00サービス担当者会議
本人・家族・関係事業所等と、支援の方向性や役割を確認します。
- 15:30モニタリング・訪問・面談等
予定に合わせて訪問や面談を行い、本人や家族の現在の状況を確認します。
- 16:30記録・連絡・翌日の準備
その日の内容と次の確認事項を整理し、必要な連絡や翌日の予定を確認します。
- 17:30退勤
翌日に引き継ぐことを確認して退勤します。
面談や会議が重なる日は、移動時間も含めて予定を調整し、記録の時間を別に確保します。外出のない日や、訪問を中心に組む日もあります。
デスクワークと人と関わる仕事の両方があります
相談支援には、本人・家族と話す、関係機関へ連絡する、会議をする、訪問する、情報を整理する、計画や記録を作るといった複数の仕事があります。
一日中パソコンで計画書を作る仕事というわけではありません。一方で、面談をして終わりでもなく、聞いた内容を整理し、次の支援につながる形にする時間が必要です。
相手の話を丁寧に聞く力と、情報を整理して記録する力の両方を使います。どちらか一方だけでなく、人と関わる時間とデスクワークの時間を組み合わせて進める仕事です。
自分で予定を整理する力も必要です
面談、モニタリング、計画更新、会議、連絡、記録には、それぞれ予定や期限があります。関係機関からの返答を待つ仕事もあり、複数のケースを並行して進めます。
記憶だけに頼らず、事業所のルールに沿って、予定・期限・進捗を整理することが大切です。例えば、予定表に面談だけでなく記録の時間も入れる、ケースごとに次の確認事項をまとめる、返答待ちの連絡を確認する、といった方法があります。
自分で予定を整理することと、一人で判断を抱えることは別です。対応が重なる場合や期限に間に合わないおそれがある場合は、早めに管理者やチームへ相談し、進め方を調整します。
予定どおりに進まないこともあります
急な相談、面談の予定変更、関係機関との調整、本人・家族の状況変化などによって、その日の予定が変わる場合もあります。
そのときは、何を優先するか、どこまで自分で対応するか、誰に相談するかを整理します。例えば、急いで状況確認が必要な相談を管理者へ共有し、別の連絡や書類作成の予定を調整することがあります。
すべてを自分で抱えることが専門性ではありません。緊急性の判断に迷う場合も、速やかに管理者へ共有し、必要な関係機関と連携して対応します。変更した予定や対応内容を残し、次の担当者にも伝わるようにします。
直接支援とは違う視点で子どもや家族を支える
児童発達支援・放課後等デイサービスの直接支援では、子どもと実際に関わりながら、遊びや活動、生活場面で具体的な支援を提供します。
相談支援では、本人・家族の生活全体を見ながら、複数のサービスや関係機関をつなぎ、支援の方向性や利用後の状況を確認します。役割は異なりますが、どちらも子どもと家族を支える仕事です。互いの情報と専門性がつながることで、支援を考えやすくなります。
直接支援で培った、子どもの発達を見る視点、保護者との関係づくり、学校等との連携、支援計画に関わった経験は、相談支援でも活かせる場面があります。同時に、制度や地域の支援資源、生活全体のアセスメントなど、新しく学ぶこともあります。経験があることと、相談支援専門員の配置要件を満たすことは分けて確認する必要があります。
直接支援の働き方を知りたい方は、放課後等デイサービスの仕事内容と1日の流れもご覧ください。保育・教育などの経験の活かし方は、児童指導員・保育士が放課後等デイサービスで働く魅力とは?で紹介しています。
相談支援専門員として働くことを考えている方へ
相談支援専門員は、相談を聞くことや計画書を書くことを通じて、本人・家族の希望を整理し、必要な支援を一緒に考え、関係者をつなぎ、その後の生活を継続的に確認する仕事です。
面談の内容を計画へ反映し、関係機関との話し合いを次の支援へつなぎ、利用後の変化を見直しに活かす。その一つひとつが、日々の仕事になります。
一つの事業所だけでなく、本人や家族の生活全体を見ながら支援を考えたい方にとって、相談支援はキャリアの選択肢の一つです。応募前には、担当する業務、ケースの範囲、訪問の地域、記録の方法、困ったときに相談できる体制を確かめると、働く姿を具体的にイメージできます。
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