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法定研修の年間計画を無理なく運用する方法

児童発達支援・放課後等デイサービスの管理者が年間研修計画表を確認しているイラスト

児童発達支援や放課後等デイサービスを運営していると、さまざまな研修や委員会、訓練を実施する必要があります。

虐待防止、身体拘束等の適正化、感染症対策、業務継続計画、非常災害への対応など。

それぞれに必要な対応があります。

しかし、日々の支援や運営業務が忙しいと、年間の研修計画が後回しになってしまうこともあるのではないでしょうか。

「今年は何の研修を実施する必要があっただろう」

「委員会は開催したけれど、研修の記録は残っていただろうか」

「新しく入職した職員への研修はどう管理すればよいだろう」

こうしたことを、年度末にまとめて確認するのは大変です。

私は、研修や委員会を年間で管理できるようにすることは、事業所の運営にとって大切だと考えています。

今回は、児童発達支援・放課後等デイサービスの管理者が、法定研修を無理なく実施し、記録まで整理するための考え方を紹介します。

目次

1.まず、研修・委員会・訓練を分けて考える

年間計画を作るとき、最初に整理したいのが、研修、委員会、訓練の違いです。

これらは、すべて同じものではありません。

研修

職員が必要な知識や対応方法を学び、理解を深める取り組みです。

例えば、虐待防止について学ぶ研修や、感染症への対応方法を確認する研修などがあります。

委員会

事業所の状況を確認し、課題や改善策について検討する場です。

単に研修資料を読むこととは目的が異なります。

委員会では、検討した内容や決定した事項を、必要に応じて職員へ周知することも重要です。

訓練

緊急時などに必要な対応を、実際に行えるように確認する取り組みです。

避難訓練や、感染症発生時の対応を想定したシミュレーションなどが考えられます。

研修で知識を学んだとしても、それだけで訓練の実施要件を満たすとは限りません。

そのため、年間計画では、研修・委員会・訓練を分けて管理することが必要です。

2.必要な研修を最初に一覧化する

次に、事業所として必要な研修や委員会、訓練を一覧にします。

例えば、次のような分野があります。

  • 虐待防止
  • 身体拘束等の適正化
  • 感染症対策
  • 業務継続計画(BCP)
  • 非常災害対策
  • 安全管理
  • 新規採用者への研修
  • その他、サービスや事業所の状況に応じて必要なもの

ここで大切なのは、すべての項目が同じ回数、同じ方法で実施すればよいわけではないということです。

必要な頻度や実施内容は、項目やサービス種別によって異なります。

研修だけが必要なのか。

委員会の開催も必要なのか。

訓練の実施が必要なのか。

新規採用者への対応が必要なのか。

それぞれ確認する必要があります。

私は、年間計画を作る前に、この違いを整理しておくことが重要だと考えています。

3.年間計画表には、実施月だけでなく確認項目も入れる

年間計画表というと、4月から翌年3月までのカレンダーに研修名を書き込むことを想像するかもしれません。

もちろん、それも必要です。

しかし、私は実施月だけではなく、確認する項目も整理しておきたいと考えています。

例えば、次のような項目です。

① 実施する内容

研修、委員会、訓練など、何を行うのか。

② 根拠と必要な頻度

どの基準や通知に基づき、どのくらいの頻度で実施する必要があるのか。

③ 前回実施日

前回いつ実施したのか。

④ 次回の実施期限

いつまでに実施する必要があるのか。

⑤ 担当者

誰が準備し、誰が実施するのか。

⑥ 対象職員

誰が参加・受講する必要があるのか。

⑦ 実施記録

どこに記録を保存するのか。

このような項目を一つの表に整理すると、管理者が確認しやすくなります。

なお、研修ごとの具体的な頻度は、適用される最新の制度や指定権者の案内を確認して設定する必要があります。

4.「年度内に1回」で管理しない方がよい場合がある

研修の計画を立てるとき、注意したいのが実施頻度の考え方です。

例えば、「年1回以上」と定められているものについても、その意味や適用する期間の確認が必要です。

年度内に一度実施していれば十分と、すべての項目を単純に扱ってしまうと、必要な実施間隔や追加実施の要件を見落とす可能性があります。

また、項目によっては、年1回以上ではない実施頻度が求められるものもあります。

そのため、まずは最新の根拠資料を確認します。

そのうえで、前回の実施日から次の実施期限を整理します。

私は、年間計画を単なる予定表としてではなく、必要な対応の実施漏れを防ぐための管理表として使うことが大切だと考えています。

5.年間計画を四半期ごとに確認する

年間計画を作っても、年度の途中で確認しなければ、計画どおりに進んでいるか分かりません。

そこで、例えば3か月ごとに進捗を確認する方法があります。

これは実務上の提案であり、すべての事業所に対して法令で定められた確認頻度という意味ではありません。

4〜6月

年度の研修・委員会・訓練の一覧を確認します。

必要な頻度や期限、前年度の実施状況を照合します。

新しく入職した職員への研修状況も確認します。

7〜9月

上半期の実施状況を確認します。

予定していた研修や委員会が実施されているか、記録が残っているかを確認します。

10〜12月

年度後半に予定しているものについて、準備状況を確認します。

未実施のものがあれば、必要な期限に間に合うよう日程を調整します。

1〜3月

年間の実施状況を確認します。

記録や欠席者対応の状況を整理し、次年度の計画へつなげます。

ただし、四半期ごとの確認だけでは足りない項目もあります。

法令等で定められた頻度や期限が優先されるため、実施期限に合わせた個別の確認も必要です。

6.委員会と研修を同じ時期に設定する方法

管理者の業務負担を減らす方法として、関連する委員会と研修を近い時期に設定することも考えられます。

例えば、委員会で確認した課題を踏まえて、職員研修の内容を検討する方法です。

このようにすると、委員会で検討したことを職員の学びへつなげやすくなります。

ただし、委員会と研修を同じ日に実施したからといって、自動的にそれぞれの要件を満たすわけではありません。

委員会で必要な検討を行ったか。

研修で必要な内容を扱ったか。

対象者に適切に周知・実施できたか。

それぞれ確認する必要があります。

日程をまとめることだけを目的にせず、必要な内容を実施できる計画にすることが重要です。

7.研修記録は、実施したことが分かる形で残す

研修を実施した後には、必要な記録を残します。

例えば、

  • 研修名
  • 実施日時
  • 実施方法
  • 研修内容
  • 使用した資料
  • 参加した職員
  • 理解確認や振り返り
  • 欠席者への対応
  • 記録の保存場所

などを整理します。

これらは実務上の管理例であり、すべての研修で一律に法定の記録項目として定められているという意味ではありません。

必要な記録の内容や保存方法は、それぞれの制度や指定権者の案内に従います。

また、資料を作成したことと、職員が実際に研修を受講したことは別です。

実施した内容を正確に記録することが大切です。

8.欠席した職員への対応も計画する

研修を計画しても、すべての職員が同じ日に参加できるとは限りません。

休暇や勤務の都合、入職時期などによって、参加できない職員がいる場合があります。

そのため、研修の計画段階から、欠席者への対応を考えておくことも重要です。

例えば、後日別の時間を設定する、必要な内容を個別に確認するなどの方法があります。

ただし、資料を渡しただけで研修を受講したと扱えるかどうかは、研修の目的や要件によります。

必要な内容を実際に確認し、受講した事実を残すことが大切です。

また、新規採用時に必要な研修についても、年間の集合研修だけで済ませてよいとは限りません。

入職時の研修は、年間計画とは別に管理する方法も考えられます。

9.管理者がすべて準備する必要はない

研修や委員会の準備は、管理者に集中しやすい業務の一つです。

しかし、すべてを管理者だけで進める必要があるとは限りません。

例えば、研修資料の準備、会議の進行、実施記録の整理などを、職員と分担する方法が考えられます。

私は、管理者が仕事を任せるときには、進め方を示し、必要な場面で助言することが大切だと考えています。

最初は一緒に準備する。

次に、担当できる部分を少しずつ増やす。

終了後に振り返り、次に改善できることを共有する。

こうした過程を通して、研修や委員会の運営を職員育成の機会にすることもできます。

ただし、役割を分担することによって、法令上求められる責任や必要な確認がなくなるわけではありません。

誰が最終的に確認するのかを明確にしておくことが重要です。

10.こども性暴力防止法への準備も確認する

2026年12月25日には、こども性暴力防止法が施行されます。

対象となる事業者には、法令に基づくさまざまな対応が求められます。

例えば、対象従事者への研修、必要な規程や体制の整備、情報管理などについて、適用範囲と具体的な要件を確認する必要があります。

既存の虐待防止研修を実施したことだけで、新しい法律に基づくすべての対応が完了するとは限りません。

施行前に必要な準備と、施行後の対応を分けて確認することが大切です。

事業者として必要な対応については、こども家庭庁が公表している資料を確認してください。

※本項は2026年11月時点の制度情報に基づきます。実際の運用では最新の法令・通知を確認してください。

11.まずは年間計画表を1枚にまとめる

研修や委員会を管理するとき、複雑な仕組みを最初から作る必要はありません。

まずは、現在実施している研修、委員会、訓練を一覧にしてみます。

そのうえで、次のことを確認します。

何を実施する必要があるのか。

いつまでに実施する必要があるのか。

誰が担当するのか。

誰が参加するのか。

実施した記録はどこにあるのか。

私は、管理者がこれらを確認できる状態をつくることが、年間計画を運用するための第一歩だと考えています。

計画表を作ること自体を目的にせず、必要な研修や委員会を確実に実施し、職員の学びと支援の質につなげていくことが大切です。

まとめ|法定研修は、年度末にまとめるより年間で管理する

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、研修、委員会、訓練など、年間を通して必要な取り組みがあります。

それぞれの内容や必要な頻度を確認する。

年間計画表に整理する。

担当者と期限を決める。

計画に沿って実施する。

必要な記録を残す。

そして、定期的に進捗を確認する。

こうした流れをつくることで、実施漏れを防ぎやすくなります。

私は、法定研修を単に義務を満たすための仕事として終わらせず、職員が学び、事業所の支援の質を高める機会にもしていきたいと考えています。

まずは、現在の年間計画と前回の実施記録を並べて確認してみてください。

そこから、次に何を準備すればよいかが見えてくると思います。

法定研修や委員会の年間運用を整理したい方へ

株式会社THE SHIPでは、児童発達支援・放課後等デイサービスの運営経験を踏まえ、研修や職員育成、事業所運営に関するご相談を受け付けています。

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参考資料

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